現役小児科医ママがおすすめする、親子でHappyな育児法!

小児科医ママかつNICUonline管理者の育児、診療日記です

NICUに入ったサークルベット

NICUに入院する子は、大抵は保育器と呼ばれるベットにいる。
1500g未満で生まれた極程出生体重児や
1000g未満の超低出生体重児と呼ばれる小さな子達は
人工呼吸器の手助けを借りていたり、たくさんの点滴が入っていたりして、
 
 
こんな感じのとか、
 
こんな感じのとかの保育器とかクベースとか言われるベットにいる。
 
ちょっと調子が良くなってくると
こんな感じのコットと呼ばれる赤ちゃんのベットに移る。
NICUに入院しなくても、多くの産院の正常新生児は
このコットと呼ばれるベットに赤ちゃんがいることが多いだろう。
 
 
サークルベットとは
こういう感じで、赤ちゃんより少し大きくなった乳児や幼児がいる感じになる。
小児科病棟で入院する子は、こういう形のベットにいることが多いだろう。
 
NICUやGCUにサークルベットが入るってことは
体は大きく成長してきたけど、何らかの理由でおうちに帰れない子を意味する。
 
強い仮死で生まれて、いわゆる脳死状態や植物状態のような状況で人工呼吸器やモニターが外せず、
在宅医療へ移行できなかった子供。
生まれながらの疾患で、NICUから継続した入院治療が必要な子供。
精神疾患や虐待、家族の抱える養育困難などの社会的事情で児童相談所に受け入れてもらうまでの子供。
 
ある朝、出勤して
このベットがNICU病棟にあるのを見つけると
愛されるべき親の元に、何らかの理由で帰れないその子の背景が
胸に突き刺さる思いになる。
 
NICUは、新生児集中治療室なので、
病院としてはNICU加算をとって医療をする。
医療費の利益が出なければ病院の経営は成り立たないし、病院が成り立たなければ
患者さんに医療の提供ができなくなる。
例えば、1000g未満の超低出生体重児であれば、90日間のNICU加算が取れるし
1500g未満の極低出生体重児であれば、60日間のNICU加算が取れる
病院はその加算などを含めて利益を得る。
通常、日本の赤ちゃんの医療費は無料なので、集中治療にかかる膨大な医療費は国が負担しているのだけれど、
実際に医療を行なっている病院としては、費用を得なければならないので、
NICUにサークルベット入ったという意味では、加算の取れない患者さんでベット枠を一つ埋めることとなる。
 
それに関しても、その子が肩身の狭い思いをしているようで、
とても切ない。
 
 
 
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