現役小児科医ママがおすすめする、親子でHappyな育児法!

小児科医ママかつNICUonline管理者の育児、診療日記です

気持ちをえぐられること;児童虐待を考える

虐待された赤ちゃんが入院することがある。
妊婦健診に全く行ってなくて、自宅で産まれた赤ちゃんが入院することがある。
望まれない子で、行き先がなく児童相談所に引き取られる予定の子も入院病棟にいることがある。
 
心理士を目指して勉強しているお友達が
私に壮大な疑問をぶつけてきた。
 
色々な患者背景に寄り添うと、
その複雑だったり、切ない状況に
まるで自分の心がもっていかれてしまい
尋常ではない心情になるという。
 
お医者さんをしていると、
そういう場面にたくさん出会うのに、
どうやって、自分の心を持っていかれないでやっているのか
それが大きな疑問だと。
 
私たち医者は、
子供の死に立ち会うこともあるし
虐待の子のように、愛されるべき親に愛されない子にも出会う。
 
私たち医者だって
そういった切ない場面に心を痛めないわけではない。
 
ただ、子供の最期に立ち会ったときは
泣き崩れる家族や看護婦さんとは違って、
実際にその場で取り乱す人は少ない。
 
もちろん、ずっと寄り添ってきた子供の最期が
悲しくて切ないものに変わりはない
ただ、
どうしてなんだろう。
 
看護師さんの中には、
担当患者さんの死の辛さに耐えられず、数日仕事に来れない人もいるし、
それも人としておかしくないと思う
 
医者は
辛い現実に対して、医学的な予測ができてしまうからなんだろうか。
それとも、死であったり、受け入れがたい事実であったり
その現実に、主治医として、それが最善の努力をしてきた結果であるからなんだろうか。
 
よくはわからない。
 
でも、その後も、いろんな辛い現実をずっと忘れることはないだろうし、
やってきた治療や対応が、選んできた選択肢の中で最善だったのか、ずっと自問自答し続けるんだろう。
 
切ない患者さんが、また一人。
 
どうして生まれてきたのかなと、思ってしまう。
骨折するほど打たれた頭は、ものすごく痛かっただろうに。
考えると、
ずっと
その子のことが頭から離れない。
 
 
 
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