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小児科医ママかつNICUonline管理者の育児、診療日記です

おでこのたんこぶ〜小児の頭部外傷

パパと子供が公園で遊んでいて
息子が転んで、たんこぶを作ったらしい
 
あまりのデコの腫れっぷりにビックリして
これ、大丈夫?と写メが送られてきた
 
 
ワォ!
これね、よくあるある、
大丈夫、とは完全には言えないんだけど、
まぁ、よくある。
そして、大概は大丈夫。
 
だけど、
私が小児科医ではなかったら、どうしただろう。
こういう我が子のプチ事件の時はいつも考える。
 
どうだろう?
まずはパパにメールだろうな。
救急病院行く?
ってな感じで相談するんだろう。
そして、両親そろって心配が募ったら、病院にいくんだろう。
 
帰ってきたパパに、聞いてみた
私『ねぇ、もし私が小児科医じゃなかったら、どうしてた?』
パパはちょっと考えてから、そんなこと思いもしなかった顔をして
『うーん、救急受診、してただろうなぁ。。。』
と。
 
子供は、まぁ、よく遊び、よく転ぶ。
なので、その『転ぶ』特徴を考えてみた。
 
①子供は大人に比較して頭部の体に占める割合が大きい。
 (ネットからフリーの画像持ってきました)
 
    
 この絵の感じ。どう?
 そう、子供は頭が体に比して大きくて重いから、頭から転びやすい。
 
②頭の骨(や硬膜、くも膜など)の作りが柔らかく、薄い
 ぶつけると骨が簡単に変形して、その下の脳にダメージを受けたり、
 硬膜外血腫とか、硬膜下血腫とか、つまり頭の骨の内側に出血したりして
 大変なことになってしまいやすい。
 私の覚書のために、専門的に言うと
 骨折線を伴わない陥没骨折、幅の広い線状骨折(解離性骨折)、縫合離開が多い
 線状骨折と骨縫合遺残の区別が難しい
 外力による変形の度合いが大きい
 直接損傷で受賞部直下に脳挫傷をきたしやすい、反衝損傷による体側の脳挫傷は少ない。
 なんて言う特徴がある
 
③骨縫合が弱くて離開しやすい
 
 この絵の感じが骨縫合。
 つまり、骨は何枚かの骨がくっついてできるってことで、この縫合の部分が
 外傷によって剥がれやすいって意味。
 
④子供は頭の血流が豊富なので、頭の出血は出血量が多くなりやすい
 だから、たんこぶなんかの内出血もブワッと血が出るから、コブも大きくなりやすいってわけ。
 よく、ぶつけたところを冷やすのは、
 冷却によって血管を収縮させて流を少なくして出血量を抑える、
 腫れを抑えるって意味があるってことになる。
 
ん。
まあ、大丈夫とは言えない。
でも、大概は大丈夫。
どうしたらいいのか、結論はないんだけど
 
子供は元気に外で遊んで欲しい
多少の危険を伴う冒険心も満たしてあげたい。
擦り傷、なんかの怪我は大いに作ってもいいだろう。
 
でも、遊びの中で
大事に至る怪我は大人が避けてあげなければならないし、
成長の中で、大きな怪我を避ける方法を
教えていかなきゃいけないんだなと思う。
 
 
 
参考;外傷初期診療ガイドライン JATEC
 
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