現役小児科医ママがおすすめする、親子でHappyな育児法!

小児科医ママかつNICUonline管理者の育児、診療日記です

私は小児科医だから、車酔いした娘に、そのメカニズムを説明してあげよう。

私は小さい頃、車酔いがひどく、いつも車やバスのお出かけが憂鬱だった。
 
そうだ。
娘にこれを説明してあげよう。
 
耳の中の奥の方の前庭っていう場所にはね、
小さな小さな耳石という小石がたくさんある場所があって
体が揺れると
その石たちが、ザーッ、ザーッっと右に左に動くんだよ。
そうすると
私たちの体が揺れてるって感じることができるんだ。
車に乗ってる時は、車が揺れるでしょ?
そうすると、石たちはあちこちに揺れて動くんだよ。
それが上手く感じられないと、
車に酔っちゃって、気持ち悪くなるんだ。
 
気持ち悪いときはね、お腹もぐるぐる動き出しちゃって、
お腹も動きすぎちゃうと、ゲーッとなって出てきちゃったりするんだよ。
 
乗り物酔いのぶどう味のお薬はね、
抗ヒスタミン剤といってね、気持ちが落ち着く効果と抗コリン作用というお腹の動きを抑える効果があるからね、
だから、気持ち悪くならないし、安心できるから、
車酔いしなくなるんだ。
 
お姉さんになって耳の中が発達してきたから、
今、車酔いがひどい時期なんだけどね。
もう少し大きくなって、小学校5年生か6年生くらいになるとね
治る子も多いから、だんだん軽くなるから大丈夫だよ。
 
そう、先の見通しと安心感。
それが
私が我が子に与えてあげられる最大の治療薬だと思う。
 
 
自分で運転するようになった今、
自分の車酔いには、その対応がよく分かるようになったけれど、
7歳の娘が車恐怖に陥りつつある。
 
私が小さい頃は、
吐いた時の対応を考えるとか、遠くを見るとか、そのくらいの対応しかできなかったけど
今は、子供の頃から飲める酔い止めも薬局で気軽に手に入るし、
 
小児科医になった今
乗り物酔いのメカニズムを考えると
もう少し、踏み込んだ対応ができるんじゃないかと
そう考える。
 
まず、どこにでも車で出かける私と娘は
小さな頃から車に乗り慣れているはずで、
長距離運転の時は、
娘はいつも後ろのチャイルドシートでDVD見たりしていた。
娘は、乗り物酔いとは無縁の子供で、
毎日車に乗るから、車慣れしているはずで、私の計算では
私が過去に経験した、あの辛い乗り物酔いは、我が子には起こらないはずであった。
 
娘は
4歳を超えた頃から、
画面を見たがらなくなった。
5歳を超えた頃から、
明らかな乗り物酔いの症状を訴え始めた。
 
そう。
彼女の揺れを感知する体の器官が発達して来た証拠だ。
 
乗り物酔いは
耳の奥の『前庭』と呼ばれる部分が発達してくるとおこると言われている。
 
『前庭』の中には
ぐるぐる回るのを感じる(回転速度)三半規管と
頭の傾き加減や、エレベーターに乗った時のような上下運動(直線加速度)を感じる耳石器があって
 
乗り物酔いは
目で視覚的に見ているものと
体(耳の前庭)が感じる速度つまり車の揺れがずれることによって
起こる不快感のことになる。
 
目で見ている部分が本やテレビ画面だったりの普段静止しているものだったりすると、普段止まっているものが、乗り物に乗って体が揺れている状態で見ることにより
ズレが大きくなり、乗り物酔いの症状が悪化する。
 
車で出かけるのは快適な交通手段で
車で遠くに遊びに行くのも
あの辛い乗り物酔いを
どうにか軽く済ませてあげたい
そう思って、これをアウトプットする
 
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