現役小児科医ママがおすすめする、親子でHappyな育児法!

小児科医ママかつNICUonline管理者の育児、診療日記です

卒乳と断乳のお話。おっぱいを続けたいお母さんにも、おっぱいをやめたいお母さんにも。

お母さん方は
子供がまだ母乳を飲みたくても、母の都合で母乳をやめることを
断乳
子供が自分の方から「もう母乳はいらない」と飲まなくなることを離れていくことを
『卒乳』
と言うようです。
 
日本の赤ちゃんは世界の平均と比較して、早く母乳を飲まなくなります。
日本人は周りと同じだと安心するのが特徴の民族のようで、周りのママさんたちが母乳をやめていくと
どうやら我が子も母乳をやめなければ、という気になる方が多いように思われます。
我が子の成長が、他の子と比較して気になるのは当たり前のことかもしれません。
しかし、歯を例に挙げると、赤ちゃんの歯が生え始める時期に個人差があって、そのコントロールができないように
本来であれば、卒乳の時期も親がコントロールするものでもないのかもしれません、とも思うんです。
 
人間本来の生理的な卒乳の仕組みをお話ししましょう。
 
人間も含め、哺乳類の母乳には『乳糖』という糖分の栄養がたっぷりと含まれています。
人間も含めて哺乳類の赤ちゃんは、その『乳糖』を消化する『乳糖分解酵素』という消化酵素
大人の何倍も多く分泌することができるようになっています。
赤ちゃんが成長して食事を十分に摂ることができるようになると、
その『乳糖分解酵素』の活性がある日下がってくる日がやってきます。
乳糖分解酵素が十分ない状態で、乳糖成分を多く含む母乳を飲むと、お腹がゴロゴロして不快な気分になるようです。
そう、それが
子供側が決めた卒乳の時期となります。
乳糖分解酵素の活性が下がる日っていうのには
歯が生えるのと同じくらい、個人差があり、
1歳前の子もいれば、小学校に上がる頃になってやっとという子もいるくらいで
だから、早く卒乳する子もいれば、いつまでも母乳が離れない子もいるという理由になります。
 
3歳半までオッパイを飲んでいた我が娘は
オッパイの味を鮮明に覚えているらしく
「美味しかったんだ。でも、卒乳したら、なんでか、美味しくなくなっちゃったんだよね」と
話していました。
単純に授乳だけで考えれば、このような仕組みですが、
赤ちゃんも家族の一員として日本の社会の一員として生きていると、
それ以外の要素が複雑に絡み合います。
 
子供が感じるなんらかの不安を、おっぱいを吸うことで解決している子供もいれば、
それが必要ない子もいます。
お母さん側も、授乳をいつまでもしたいと思っている方もいれば
仕事復帰や周りの環境から、早く授乳を終了したいと思っている方もいらっしゃいます。
介護が必要な家族がいたり、自身が何らかの疾患を抱えていたり、授乳を続けられない環境の方もいるでしょう。
私の場合は娘の卒乳が私の40歳にほど近かったことから、
その後二人目不妊に悩まされるとは、その当時には想像がつかなかったことでした。
そういった母の思いも卒乳や断乳の時期の違いに現れます。
 
卒乳や断乳の理由は人それぞれです。
お母さんがご自身と赤ちゃんのためを思って決断したこと
一番であったと自信を持って欲しいとも思うんです。
 
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