現役小児科医ママがおすすめする、親子でHappyな育児法!

小児科医ママかつNICUonline管理者の育児、診療日記です

私が振り回されていたのか。患者と主治医の関係ではないと、人間不信になってしまいそうなこと

娘のお友達の女の子。
体型は細く、顔色は白く、華奢な女の子だ。
 
とても掴みどころがない性格で、学校帰りにうちに上がり込んで遊んでいてびっくりした。
 
子供同士仲良くなったのをきっかけに、
その子の母とも交流するようになった。
とても気さくでいいお母さんに見えた。
 
しかし、私が小児科医ゆえに、見えてきてしまう相手の家庭の事情もある。
その子は、頻繁に具合が悪くなり学校を休む体質だった。
お母さんは悩んでいるように見え、
私は仕事柄、ついつい寄り添って話を聞いた。
その子は、ちょっとしたことですぐ嘔吐し、病院に行くことが多いそうだ。
 
どうやら
小児科でいう周期性嘔吐症
俗にいう自家中毒というもののようだ。
 
その子の父も複雑な環境であり、一人っ子ということもあり、
家庭の見えないストレスがその子に嘔吐という症状をきたしているようにも見えた。
さりげなく、小児科医目線のアドバイスしたりした。
 
仲良くなったように見えた我々母親同士は
聞きたくないことまで聞いてしまった。
 
どうやら、同じクラスの別のクラスメートが
その嘔吐しやすい子に嫌がらせをするという。
持ち物を隠したり、陰口を行ったり、靴に画鋲を入れたり。
 
なんと古典的で陰湿ないじめか。
 
私は小学生でそこまでの陰湿ないじめをする女子とその生育環境がどうしても気になってしまい、
その子とその親をどこかそういう目で見てしまっていた。
他人から聞いたことを、本当のことだと思い込んで。
 
しかし、年月が経つにつれ、なんだかおかしいと感じるようになった。
 
いじめをしていると言われている女の子は
とてもいい子にしか見えない。
フリをするのがうまいのか?という大人の目で見て見たが、
純粋で年齢相当ほとてもいい子に見える。
お母さんも、ガッツがあって、気さくでなんでも話せそうな肝の座ったいいお母さんだ。
 
どうしたんだろう。
 
仲良くなったはずだった熱を出しやすい子のお母さんの話が
どこまで本当だったのか、わからなくなった。
 
もしかして、その母親の抱えている心の問題が、
子供の自家中毒を起こしているように思えてきた。
ストレスが具体的になんらかの体の不調になって現れる。
ストレスの身体化だ。
 
ここでは、私は医者ではなく
クラスメートの母親同士で付き合わなければいけない場だ。
 
なんだかバランスが分からなくて、とても苦しく感じた。
 
 
 
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アトピー性皮膚炎のスキンケア 幼児〜学童 保湿剤は誰が塗るか。

アトピー性皮膚炎の予防にも治療にも
スキンケアがとても大切です。
 
生まれたばかりの赤ちゃんに湿疹ができると、
アトピーなんじゃないか?と心配になるお母さんは多いですし
生後間もない赤ちゃんに保湿クリームを塗ることでアトピー性皮膚炎の予防になると考えられていますので、
念入りに赤ちゃんのスキンケアをしているお母さん方も多いでしょう。
 
2〜3歳くらいになり、活発になって戸外で活動することも増えると、
お肌が乾燥してくるタイプの子も多いので、
お風呂上がりのスキンケアが日課になっているご家庭も多いかと思います。
 
もしもお子さんがアトピーと診断されていたら、
保湿や外用薬を丁寧に塗ってあげることは
ママやパパのお仕事ですよね。
 
私の考えですが
4〜5歳から、遅くても小学生になる頃には子供が自分自身で塗布できるようになることをお勧めします。
ではそのメリットを紹介しましょう。
 
4〜5歳児や小学校低学年の月齢では
まだ上手に保湿剤を塗れる子は少ないでしょうし、
母がやった方が早いですし、塗り残しもないでしょう。
 
でも、
保湿剤を自分で塗ることで
自分のお肌に少しでも興味を持って欲しいのです。
自分でやることが可能なら、
最終的にはアトピーや乾燥のより良いコントロールができるようにつながります。
いつまでも『薬を塗ってくれるのがお母さん』だとしたら、
アトピーの痒みが悪化しても
子供から見たら、お母さんがちゃんとやってくれてなかったから
『お母さんのせい』になってしまうでしょう。
 
声かけしながら見守って欲しいんです。
『冬の乾燥した日はお肌がカサカサで保湿剤がたくさんいるね。』
『初夏の頃はいつもお肌の調子がいいね。』
『風邪を引くと、カサカサになるな。』
『ここがいつもちゃんと塗れてないよ。』
 
なんて、
保湿の儀式を子供が自分ですることを見守ってあげることができたら、
子供自身も、
こういう日は痒くなりやすい、とか
昨日、保湿をサボったから、痒くなった。とか
 
自分の責任で自分のお肌が管理できるようになります。
 
ステロイドのお薬が処方されている場合は
やはり、親がどのくらいの量をどういう風に使っているのか、は
チェックすべきですが、
 
痒いからお薬つけて〜と自分から言えるようになったり
お肌の具合の良し悪しを子供自身の方が親よりわかるようになったら
それはとてもいいことだと思うんです。
 
なんでも反抗したくなる思春期が始まる前に
アトピーっ子は身に付けておきたい習慣ですね。
 
 
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子供は犬と猫をどうやって見分けているのか

赤ちゃんは少し言葉が話せるようになると、
お散歩中の犬を指差して
「ワンワン〜」
と言うようになる
 
「ワンワン」「ニャンニャン」などの幼児語
とても可愛いのだけれど、
時々、4つ足の動物は全部「ワンワン」と言う子供もいて微笑ましい。
小さい子供は
絵本やテレビなどで色々な動物がいることを自然と学んで
そのうち犬は犬、猫は猫
に変わっていくのだけれど
 
先日、4歳の我が子が面白い発言をした。
 
実家の14〜15キロの中型犬が他界し
5キロくらいの新しい子犬がやってきたのだが
どうやら息子は新しい小さい方の犬のことは
猫だと信じていたらしい!
 
息子にとって猫と犬の違いはサイズ感?だったのかと思うと
なんだか不思議な気分になった
 
そういえば、娘も小さい頃
お散歩犬がたくさん通る川沿いの道で、
チワワに向かって「ニャンニャン〜」と言って
飼い主さんと微妙な表情で顔を見合わせたなぁと思い出した。
 
 
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子供の近視 小学生の眼鏡

小児の近視
 
自分を振り返ると小学校5年生くらいから眼鏡をかけ始め、
その後、近視が進行し、高校生から長いコンタクト人生が始まった気がする。
 
娘の小学校の同級生を見渡すと、
昔より、眼鏡っ子が多くなった印象で
高学年の子供なんて、ほとんどの子が眼鏡をかけているんじゃなか?とも思えてしまう。
とすると、昔と現代の違うことといえば、
スマホタブレット、ゲーム機の普及?に私的には思われてならないけれど
これに関しては、目の専門家の中でもはっきりとした証拠は掴めていないようだ。
 
自分の近視の歴史が、
姿勢が悪く、お勉強するときにすごくノートと目が近い!とよく怒られていたことを思い出し、
近視の進行は、必要以上に近くで物を見ていたことや、
テレビの見過ぎから来る物だと
思い込んでいた。
 
どうやら、
小児の近視の原因としては
大まかに、
 ・遺伝(つまり、親が近視だったら子も近視になりやすい)ってのと、
 ・近くで物を見すぎること(勉強するとき、ノートや教科書と目が近いこと)、
 ・明るい屋外活動が少ないこと
が関連するってのは研究で示されているようであって、
でも、はっきりとは分かってないというのが、
専門家の今の考えらしい。
 
スマホタブレットの普及や、ゲーム機などの普及は
関連はありそうではあるけれど、はっきりとした証拠は分かっていないというのが
今の考え方のようだ。
 
あと何年かしたら、スマホタブレットと目の健康に関する何かしらの医学的根拠が
はっきりするのかなぁなんて、思ってしまう。
 
私の職業柄『生まれてすぐの赤ちゃんって目って見えているんですか?』と聞かれることが多い。
 
赤ちゃんは生まれて目を開いた瞬間から
見えていると言えば見えていて
でもそのオメメに入ってくる光や情報は
赤ちゃん自身には、それがなんなのか頭で判断する力がまだ育ってないから、
お母さんの顔なのか、お父さんの顔なのか、まだわからないのかもしれない。
視力として測定したら、0歳の早期は0.02程度とも言われている。
 
1歳くらいまでに両方のオメメでしっかり見つめる力(両眼視)がだんだん発達して
物の距離感とかを判断できるようになって
生後半年くらいから、つぶらな瞳でジッと見つめたりできるようになる。
あの、1点の曇りもない純粋なオメメはなんとも言えないし、汚してはいけない大切な物のように思える。
 
3歳頃になると1.0くらいの視力は出るようになってきて、8歳くらいで大人と同じように見えるようになる。
 
近頃 小学生の娘が
黒板の字が見えにくいと言い出して
それが、
私の遺伝による近視の始まりかと思うと
若干切ない。
 
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赤ちゃんのおっぱい〜おっぱいが大きくなってきた子供について

我が娘の胸が大きくなり始めて
母としては少し寂しいような、なんとも複雑な気分の私です。
 
おっぱい関連で
子供のおっぱいについて、
外来でよく聞かれる質問をまとめてみましょう。
 
小さい子順にお話しします。
 
生まれたばかりの赤ちゃんのおっぱい。
 
生後すぐの赤ちゃんのおっぱいは、若干膨らんでいる子が結構います。
新生児生理的乳房肥大と言いますが、
これは母の女性ホルモンが胎盤を通して赤ちゃんに移行して、
赤ちゃんのオッパイに作用するためと言われています。
 
移行してきたお母さんの女性ホルモンは赤ちゃんの体から自然に排出されるので、心配いりません。
 
出産するお母さんは全員女性なので、赤ちゃんが例え男の子でも
お母さんの女性ホルモンが移行しておっぱいが膨らんだりします。
 
ホルモンの量や赤ちゃんの体質によっては、
赤ちゃんの小さなオッパイから母乳が出たり、
赤ちゃんにも生理が来て出血する子もいます。
オムツに真っ赤な月経血がついているとびっくりしますよね。
 
時々、赤ちゃんのおっぱいの乳首の先端に白い塊がついている子がいます。
これは赤ちゃん自身が分泌した母乳の残りがくっついているものと考えられています。
そっとしておけば、そのうち自然に取れてしましますので心配いりません。
 
乳児〜2歳の子のおっぱい
 
『まだ赤ちゃんなのに片方(または両方)のおっぱいが大きくなってきて』
と、時々相談をされることがあります。
多くのママは、
乳がんなんじゃないか?とか、悪いものが心配になるようですが、
これは心配いらないものがほとんどです。
生後半年程度から2歳程度までの単純性早発乳房と言われていて
原因ははっきりとはわかっていませんが、自然と良くなってしまいます。
 
思春期になる兆候、つまり、急な身長の伸び、陰毛が生えてきた、生理がきた!などがなければ
(ないことがほとんどですが)自然に軽快します。
 
思春期のおっぱい
 
健康な日本人の女の子がおっぱいが大きくなってくる時期(乳房発育という)の平均は
8歳半くらいから11歳半くらいです。
小児の専門家の間では、7歳半未満と13歳以降の乳房発育を病的と捉えて検査をします。
日本人の女の子は欧米人に比べて思春期が早くくると言われていますので、ここでは日本人平均でお話しします。
思春期の時期が人種で違うなんて、ちょっと驚きですね。
 
おっぱいの発育が、両方同時の子、片側から始まる子、膨らんだり戻ったりしながら発育する子、
痛みを伴う子、それぞれです。
 
体の変化を受け入れる子供側もそれぞれです。
 
大人になる兆候を喜んで、早くブラジャーを付けたがる子、定規で自分の乳房を測ったり、鏡で確認して喜んだりしている5年生のお子さんの話を聞いて微笑ましく思いました。
一方で、体の変化が恥ずかしく感じて、一人で悩んでしまう子もいます。
 
お子さんの体が大人に近づき始めた大切なこの時期、
体の変化をゆったりと見守ってあげたいですね。
 
 
 
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子供の言葉

どの子供も母親が大好き
 
 
それはうちの子も同じ。
 
8歳の娘が
 
「私ね、ママに憧れてるから、
大きくなったらママみたいになりたいの。
私になれるかなぁ」
 
と何気なく言った一言がとても大きい。
私は小さい頃、そんなふうに思ったことがあっただろうか。
 
親の私としては
我が子の目標が、私みたいなちっぽけな存在より、
もっともっと素敵な人になってもらいたいと思うし、
 
仕事も母親としても、
今の私自身が全然ダメが気がしていて、
もうちょっとこうしたい、とか
ここが頑張れてないとか、そういうことが多すぎて、
自分自身に満足してないから、
なんだか、ちょっと切なかった
 
 
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次亜塩素酸水噴霧器でウイルスの予防ができるか?

次亜塩素酸噴霧器という空間除菌をする機械が今は流行のようで、
お部屋に加湿器や空気清浄機のように設置するだけで、
細かいミスト状になった次亜塩素酸水が部屋を潤し、
インフルエンザやノロウイルスなどのウイルス不活化する効果があるという宣伝文句となっている。
 
結論としては、私個人の意見では信頼していない。
 
小さい子供のいる家庭や
お年を召した方がいる家庭に是非!などの謳い文句で売り出されているらしい。
 
先日、我が家にも、某会社から
『次亜塩素酸水噴霧器を使いませんか?
今なら1週間無料レンタルです』との触れ込みで、
しつこく勧誘の電話があり、
丁重にお断りしたにもかかわらず、
販売担当者が家にやってきた。
 
小さな子供がいる我が家を見て、
ここぞとばかりに売り込んできた。
 
『この時期、お子さんがインフルエンザにかかったら、怖いですよねー
これを設置すれば、インフルエンザウイルスを不活化させて。。。』
とセールスのお兄さんが、説明を始めた。
 
そこで、
本当にこの機械に効果があるのか、考えてみた。
 
次亜塩素酸水を正しい塩素濃度で使用すれば、
本当にウイルスの不活化効果はあるらしいので
厚生労働省も、有効塩素濃度が規定の範囲内であれば、食品添加物として認可しているらしい。
 
 
では、それをミストにして部屋中に噴霧したら、部屋にいるウイルスはどうなるのか?
 
については
よくわかっていないようなのだ。
 
現時点で次亜塩素酸水を噴霧することによって、本当にウイルスの予防効果が証明されたのあれば、
医療関係の各分野でも
次亜塩素酸水をウイルス感染予防の前面に出してくるはずである。
 
現在、
インフルエンザの予防の基本は
ワクチン接種、うがい、手洗い、マスクの着用である。
 
ウイルス感染予防にそれなりに効果がでているものであれば、
医療関係が大手を振って推奨しているに違いない。
 
それが、
そうでもないのであれば、
効果があるかないのか、それとも根拠となるような大規模な研究がなされていないか、
ということになるのではないだろうか?
効果についての、正しい研究がないのであれば、
副作用というべき有害事象もはっきりしない。
 
というわけで、
現時点でよく分からないものは、
我が家では却下とされ
 
丁重にお断りし、
お帰りいただいた。
 
今後、本当に有効かどうかの研究成果を待ちたい
と考えた私でした。
 
 
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