現役小児科医ママがおすすめする、親子でHappyな育児法!

小児科医ママかつNICUonline管理者の育児、診療日記です

男の子を育てる喜び 2歳編

パパと一緒にアクション映画を見ていた息子。
アクション映画には悪者がつきもので、
ママがふざけて悪者怖いよーと言って泣き真似をしたら、
オモチャの剣を持ってきて、
『ヤー』
とテレビに向かってやっつけてくれた。
 
そして、
『ママ、もう泣かないで、もう怖い奴、やっつけたから怖くないよ。大丈夫』
と言ってきた。
 
なんて幸せなの!
 
 
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お兄さんパンツ

育児用語では
トイレトレーニングといって、オムツから、普通のパンツに変わるときに
お兄さんパンツ
お姉さんパンツ
と言って
幼児の心意気を高める言葉がある。
 
私にとって子供のおむつはずしは、まだたった2回目。
 
オムツ=赤ちゃん
ってなイメージがやっぱりあるから
オムツが外れると
我が子がとても成長した気持ちになるし
 
周りの子より早かったりすると、
まるで、自分が偉いかのような誇高い気持ちにさえなる
 
実際には、育児の方法云々よりも
子供子供に歯が生える時期が違うように、
オムツの取れる時期もかなりな個人差があって
決して母親の努力オンリーではないのだけれど
 
オムツが取れるのが周りより遅いと
母は心配するし
早いと誇らし気になってしまう。
 
まだ、ぽこんと出っぱった赤ちゃんみたいなお腹なのに
いっちょ前のブリーフ型のパンツなんかはいてる姿みると
とても微笑ましい。
 
 
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完全母乳希望への道

今日の患者さんは1ヶ月健診。
母乳を飲んだ後にミルクを毎回足しているお母さん。
 
『1ヶ月経ったから、もう母乳だけで大丈夫ですかね?』
と唐突に質問された。
 
こちらからみると
授乳状況は母乳を毎回吸わせているとはいえ、
飲んでいるミルク量と回数と赤ちゃんの体重増加をみると、
これはおそらくほぼミルクだけでの体重増加を想像させた。
 
母の言葉の本当の意味はわからないけど
小児科医の私から見て、明日から急に『はい、母乳だけで。』は無理そうであり
母に寄り添う形で
母乳が増えるようなアドバイスをして
少しずつミルクを減らし
小児科外来で様子を見ることにした。
(私の勤務する病院にはずっと通える母乳外来のような助産師さんのフォローはないのも問題なのだが)
 
2週間後、やってきたそのお母さんは
なぜか私のアドバイスは全く取り入れてくれてなくて、
1ヶ月健診の時と同じように、ほぼミルクメインの栄養方法で、赤ちゃんは体重がよく増えていた。
 
取り入れてもらえなかったアドバイスは、
私の心の中で却下して
次のアドバイスをした。
この時点で、私は内心、このお母さんは実は母乳を諦めているのではないのかなと思い
もう、ミルクでいいやと思っていて、体重も良く増えているなら、この外来の意味はなんだろうと思っていた。
 
2週間後、
赤ちゃんの体重はよく増えていた。
母によると、大半は母乳だけで満足するようになり、ミルクの回数がガクッと減りましたと。
 
母の気持ちは読めなかったけど
ほぼほぼミルクと思いながら、それでも毎日毎日、毎回毎回直接母乳を行ってからミルクをあげていたのがよかったんだと思った。
 
母は表情を変えないタイプであり、私の話をどう感じていたかはわからない。
でも、こちらが難しそうだなと思ったお母さんが
完全母乳が達成できそうなところまでもう少し。ってことが嬉しかった。
 
赤ちゃんが大きくなっても
断乳しないで、卒乳まで長くおっぱいをあげてね。
と言って、私の外来は卒業となった。
 
 
 
 
 
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発達障害の診断に安心するママたち

比較的軽度の自閉傾向だったり、軽度の多動だったりして
医療機関や集団生活の中、特になんの指摘もされてなく、
でも
我が子がなんか他の子と違うとか
なんとなく育てにくい感(または手が掛からなすぎる感)をぼんやり抱えていると
自閉症』とか
『多動』とか
診断名がつくと安心するらしい。
 
母たちの“なんか違う感”が、あ、私の育て方が悪かったせいじゃないのね。
この子が病気だからだったのねと思うと安心するんですと。
 
私の専門は児童精神科じゃないから
確定診断まではわからないけれど
 
喘息ですとか
アトピーですとか
ダウン症ですとかの
告知の時とは
まるで正反対の親の反応なので、
若干戸惑う
 
 
でも、
親が安心して、
疾患理解が深まって
その子にあった対応ができるようになるならば、
 
それが一番なんだろうな。
 
 
 
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食べ物で溢れている

母乳を頑張って欲しいのに、簡単に断乳や混合を選ぶお母さんをみると
いつも口の悪いおじさん上司に言われた言葉を思い出す。
 
『クワシオコールで離乳だな』
 
その、口の悪いおじさん上司はパワハラもセクハラ甚だしいけど
私はとても信頼していて、お父さんのように私を見守ってくれていて
世界で一番尊敬できる小児科医の一人だと思っている。
 
その上司は何を言いたかったのか、今だに正確にはわからないけど
おっぱいばっかり飲んで、なかなか食事の進まなかった私の娘に
おっぱい飲んでれば大丈夫と言いたかったんだろうなと思う。
 
クワシオコール:
アフリカのガーナ沿岸部地域で、たんぱく質不足による栄養失調になることをいう。
よく、手足がガリガリのアフリカの子供でお腹だけがポコんと出ている写真
それがこの種の栄養失調で。
    
    
 
言葉の由来は
途上国では兄弟が多いのが当たり前で、
下の子ができると、上の子は離乳させられる。
貧しいアフリカの飢餓地域では、たんぱく質を食事から摂取するのが難しく、このような状態になる。
大きくなってきたら、母乳だけではたんぱく質も不足するはするのだけれど、
その母乳ですらもらえなくなると、栄養失調は深刻になる。
 
日本の現代は
食べ物も物も選択肢も溢れている。
 
子供を預ける時のことを考えて、と気軽に哺乳瓶でミルクをあげられるし
離乳食だって、好きなようになんでもあげられる。
(食物アレルギーとかその手の別の問題はあるけれど)
 
赤ちゃんの最善の栄養が母乳だとわかっていて
母乳をあげようと思えばあげられるのに、
そして母乳が十分に出ているのに
 
断乳を選ぶお母さんを見ると、
それはそれで否定しないけれど、
母乳推進の私は
少し切ない気持ちになる。
 
 
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子供の花粉症について

ママ友が、息子の花粉症を心配していた。
 
少し前までは、花粉症はせいぜい小学生以降の疾患だったけど、
花粉症人口が増えるにつれて、
最近は花粉症の低年齢化が進んでいる。
 
子供のアレルギーの経過の一般的な流れとして
アレルギーマーチという考えがある。
 
どういうことかって言うと、
 
基本、子供自身に遺伝的にアレルギー体質があって(親がアレルギーとか遺伝的な体質)
 ↓
0歳で食物アレルギー
 ↓
0〜1歳でアトピー性皮膚炎を発症
 ↓
2〜3歳くらいで喘息
(保育園や幼稚園の集団に入り、風邪を頻繁に引く様になる頃)
6〜7歳以降の学童期
花粉症などのアレルギー性鼻炎
 
というように
成長に伴ってアレルギー症状が変化していくこと。
 
 
今は、0歳から保育園に入る子も多いし、
集団生活に入る時期がずれたり、
大気汚染やハウスダスト受動喫煙などの環境によって多少バリエーションはあるけど、
突然花粉症から発症、ってのは、あまり聞かない。
 
 
子供の花粉症の欠点は
 目や鼻をこすってしまう、
 鼻を頻繁にかまなければならず、遊びや勉強に集中できない
 ぼーっとしてしまい、遊びや勉強に集中できない
 眠れない
 屋外活動が制限される
 など重なって、
最終的に
 成績が落ちる
 とか、友人関係に影響が出る
など、全くいいことがない。
 
まあ、疑ったら、小児科を受診して
相談するのがいいんだろう。
 
病院で行う花粉症の検査として
 症状をよく聞いて
 風邪による鼻症状なのか、花粉によるものかよく見極めてもらう(これが一番大事)
 血液の検査で花粉の抗体検査を行う
 耳鼻科では鼻の奥の鼻粘膜を観察してもらい、変化を見る
などの方法がある。
 
多くの専門家が重要視しているのは、
検査でプラスかマイナスかより、
天気予報で花粉が多い日に症状が多く、花粉を避けて室内で過ごすと症状が治まると言う
臨床症状が一番重要となる。
 
つまり、
お母さんの観察力が一番重要になる。
そこで、確定できれば、血液検査や他の検査は省略したっていい。
 
現時点で
子供に行える治療は
 
内服薬
アレルゲン免疫療法
手術
がある。
 
内服は第2世代の抗ヒスタミン薬というもので、生後6ヶ月から内服できる抗アレルギー薬がある。
点鼻は鼻を自分でかむことができる年齢から検討できる。
アレルゲン免疫療法は少量のアレルギー物質を体に投与し、体を慣らしていく治療で
皮下注射の方法が5歳以上、
舌下療法が12歳以上から適応となる。
 
花粉症は比較的新しい疾患で
急速に患者人口が増えているから
今後
治療や管理方法がどんどん変わっていくだろうし、
定期的に受診して
 
信頼できていろいろ相談しやすいお医者さんを見つけておくのが
大事なのかなと思う。
 
 
 
 
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早産児のつま先歩きを気にする保育士さん

2歳代の子に多い気がする。
 
時々、保育園や周囲から
『つま先歩きをしているので病院で診てもらって来て下さい。』
と言われて受診する子がいる。
 
少し早産だったり、軽い仮死で出生し、NICU出身の子に多い。
 
きっと言った方は、
重症ではない脳性麻痺の軽微な症状は、赤ちゃんの頃にはわからず成長に伴って徐々に出てくるってことと、
麻痺の症状で足首を伸ばし足が固くなるっていう
二つの知識があって
心配になるのだと予想がついた。
 
まだ2歳のその子は
一人で歩けるようになってから1年も経ってないわけで
最近できるようになった、つま先歩きを楽しんでいるってな様子だったけど、
周囲は心配になるようだ。
 
冷たい床を冷たい冷たい、と言って、つま先歩きをキャッキャと楽しむ子、
少しでも上のおもちゃを自分で手に取ろうとして背伸びをする子、
一見、どちらも微笑ましい一場面だけど、
背景に、出生の時のスタートの『しくじり』のような印象があると
不安がずっとついてまわるもんなんだなと思うと
 
どうやったら安心して暖かく子供を見守れるか
ってちょっと悩ましなと思った。
 
 
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