小児科医が我が子のオムツかぶれに実際にやってみた方法について〜オムツかぶれ その②
今日はオムツかぶれ実践編でいこうと思います。
1ヶ月健診で今までたくさんの新生児とママに
オムツかぶれの対応を語ってきましたが、
『経験』に勝るものはないと思ったので
ぜひ、皆さんにも読んで欲しいんです。
オムツかぶれの対応は本当に深くて
お薬を処方するだけのDrもいなくもないけれど、
その薬も、使い方次第で、
わが子のプルプルのお尻の具合が全く違うんです。
さて、基本対応をあげてみましょう
1:ウンチやオシッコをしたら、出来るだけすぐにオムツを替える
(かぶれの原因となるウンチなどの成分と肌の接触時間を減らす)
2:お尻を拭くときは、おしりふきでこすってはいけない
(こすると痛いし、皮膚、薄皮が剥がれやすくなり、かぶれが酷くなる)
3:可能ならぬるま湯でお尻を洗う
(毎回、臀部浴するなんて、とても面倒だ)
4:完全にお尻の皮膚が乾燥してからオムツをしめる
(湿気がオムツかぶれの悪化因子であるため)
5:薬を使う場合は、その使用法を確認する
(後術するが、これが結構間違っている人が多い)
では、この基本対応に沿って
ママになった小児科医の私が
患者さんの立場に立ってやってみた方法と意見を述べてみます
1:ウンチやオシッコをしたら、出来るだけすぐにオムツを替える
これ、すぐ変えてあげたいってのは本当によくわかるんだけど
1日に10回以上おっぱいを飲む中で、
おっぱいの前後にブリっとウンチがちびるから、オムツ変えて、
時には飲んでる途中でブリッっとちびるから、替えるんだけど
おっぱいを中断されたら、ベビーはギャン泣きになるし、
かといって、おっぱい終わるまでお尻にウンチをつけておいたら、
ますますかぶれそうだし、いつも、どっちが先かの天秤に悩んでいました。
そして、この子は一体全体何枚のオムツを使うのか、
ほんのちょっとしかウンチついてないオムツがもったいなくて、
ウンチがついていない部分は再利用できないか?とか
無駄な抵抗で、結局再利用なんてできなかったけど、
いろんなことを悩んだ1ヶ月でした。
2:お尻を拭くときは、おしりふきでこすってはいけない
押すようにふく。と習いましたが(そして外来でも時々言ってましたが)、
押しただけじゃ、校門のヒダの隙間に入ったウンチは取れないし、
陰嚢の袋についたウンチなんて、本当に取れない
したたるほどびしょびしょに濡らしたコットンでお尻を流していました。
3:可能ならぬるま湯でお尻を洗う
無理です。無理。腰も痛くなるし。
というわけで、ウンチのついたオムツを引いて、お湯をコットンに染み込ませて流していました。
時々、マヨネーズやケチャップの空き容器にぬるま湯を入れてお尻を洗う
とかも、言われていますが、
ウンチをして、かぶれが進行しないように一刻も早くオムツを変えたい時に
空き容器にぬるま湯を入れるっていう手技をしている時間的余裕も、心の余裕もありませんでしたね。
幸い、夏の子で、寒さとか気にしなくてよかったから、真冬の子は大変だろうなと想像します。
4:完全にお尻の皮膚が乾燥してからオムツをしめる
これ、外来で話したら、毎回、お尻をドライヤーで乾燥させるってママに出会い、
ちょっとそれは極端で、なんとなく好ましくはないので、
可能なら、自然乾燥でさらっとするまでオムツフリーで待ちたいところですが、
せっかちな私はその数分が待てず
コットンで洗ったお尻をティッシュオフして感想としておりました。
5:薬を使う場合は、その使用法を確認する
これ、外来の患者さんで、うまく使っている人がどれくらいいるんでしょう。
オムツかぶれによく出される薬は
大きく分けて
サトウザルべ、亜鉛華単軟膏ってな白い石膏のような薬
ワセリンなどの保護剤、保湿剤
抗真菌剤
があります。ステロイドや抗真菌剤以外、
オムツを替えるたびに使っていいもので、だから1日に20回とか塗ってもいいんです。
特にサトウザルべや亜鉛華単軟膏は『たっぷり分厚く塗る』ってのが基本なのですが、
患者さんは
薬はできるだけ使いたくないという心情が働くのか、ほんの少量を薄くのばす
ってなやり方をする人が多く、
基本、足りないんです。
つまり、ウンチやオシッコから、皮膚をガードする意味で、
たっぷり何回も使う
という基本を、
処方した医師からまたは、薬をもらう際に薬剤師から聞いていないと
なかなか良くならない、ってなことに陥ります。
私もこの上から3つの薬を
四苦八苦して使ってみましたが、
ウンチパワーには勝てず
薬を塗った直後にブリっとされて、
もう一度薬を拭き取ったりすると、
オムツかぶれの基本の拭き取っちゃいけない、押さえるように拭くってのに反するし
なんて、
追いかけっこしていました。
そんな、なんだかんだ言いながら、
お尻がかぶれているから、どこにもいけない。。。
なんて
思いながら、
2ヶ月になる前には
無事、ウンチの回数が減ってきたってわけです。
最後に
赤ちゃんのウンチはどうやらカラスの大好物のようで
うちのゴミ捨て場にはなんどもカラスがやってきて、
ゴミ捨てネットの間から
何度もゴミをぶちまけられそうになりました。
新生児を片手に、
ビニール傘を反対側の手に持って、
何度 カラスを追い払ったことか。。。
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新生児期の体重計、赤ちゃんの体重の増えが気になるママへ
母乳の分泌が少なめだったり
足りないとか言われたりすると
ママたちは赤ちゃんの体重増加がとても気になるだろう。
私自身、子供がたくさんいる病院に勤めているから
赤ちゃんの体重は毎日計るのが当たり前で
退院してフリーになった時に
我が子の体重がちゃんと増えているのか、数字が気になって仕方なかった。
日本の多くの地域では、退院後の育児が軌道に乗っているかどうかと体重チェックも含めて保健師さんの自宅訪問があったりするけれど、
大抵の赤ちゃんが退院後に最初に体重を計るのは1ヶ月健診になる。
だから、多くの赤ちゃんとお母さんは
生まれて1週間弱で退院してから、1ヶ月になるまでのおよそ3週間
赤ちゃんを数字で評価することなく過ごすことになる。
ミルクなら、我が子が一体何ml飲んだのか目に見えてわかりやすいけど
直接母乳となると、一体全体我が子がどのくらい飲んでいるのか
自分の乳からどのくらいの母乳が出ているのか
目に見えないから不安になる
数字を見て安心できるタイプのママなら
ちょっと奮発して新生児用の体重計をレンタルするでもいいし
最近の大人用のデジタル体重計は0.2kgのメモリで細かくはかれるから
抱っこして測った母と赤ちゃんの体重から、お母さん一人の体重を引き算してもいい。
ショッピングモールや百貨店のベビー室にも体重計があるところも多いから、
もし、お出かけする余裕があったら、
そこのベビー室で体重を計るのも良い。
でも、本当は
そんな数字は気にせず
何分おっぱいを吸っていたか、なんて気にせず
自由にフリーにやって欲しいと思うんだ。
自由にフリーに
できることなら、生まれて1ヶ月は赤ちゃんのお世話のことだけ考えて
赤ちゃん主導の生活をして欲しいと思う。
赤ちゃんが生まれると、ガラッと生活が変わる。
『昼起きて夜寝る』と言う誰もが当たり前に思う
ごく単純な人間的生活が奪われ
2−3時間おきに授乳だの、オムツだの、24時間休みなしで赤ちゃんという
不思議な生物に、新米ママは振り回されることになる。
24時間休みなしの勤務が突然始まったようなもので、
それはもう、なんとも例えようがない。
けれど、子育てのスタートがそんな感じでも
その『大変』はずっとは続かなくて
人生100年近くあるうちの
新生児の時期ってのは
たった1ヶ月しかないから
その1ヶ月くらい、赤ちゃんに完全に合わせて生活して欲しいと思うんだ。
2−3時間おきにおっぱいをあげて、
2−3時間おきに赤ちゃんと一緒に細切れに寝て
赤ちゃんに合わせないと
ホント、ママも体が持たないから
短いこの時期だけでも赤ちゃんに合わせて生活して欲しい
赤ちゃんが我が家にやって来た
=イコール
Happyな日々の始まりでないことが
赤ちゃんが我が家にやって来た
のに
不安で心配で過ごしているなんて
もったいなさ過ぎるし
どこのママにもベビーにもHappyでいて欲しいと切に願う
私でした
#赤ちゃんの体重計 #新生児の体重 #新生児の体重増加 #母乳 #足りない
いいことがなかった日、残念な結果の日
期待通りにならなくて、悲しい出来事があったから
今日は、今日からずっと
みんなに優しくしようと思った。
私の悲しさが、優しさに変わったら
悲しい出来事がいいことに変わるかもだし。
周りの人が一人でも、私に出会えてよかったと感じてくれたいいな。