現役小児科医ママがおすすめする、親子でHappyな育児法!

小児科医ママかつNICUonline管理者の育児、診療日記です

8週0日

忙しくってなかなか帰ってこなかった旦那に、
お腹の赤ちゃんどうなっちゃうんだろう?と聞いたら
 
後ろ向き思考だと
Th2陽性T細胞優位になって、妊娠しにくい体質になっちゃうから
前向き思考じゃなきゃダメだと
 
変な励ましをもらった。
 
 
それさ。
患者さんにも同じこと言っちゃダメだよと言うと
そりゃそうだと言っていた。
 
私だから、か。
また、私だからだ。
 
女性としてじゃなく、医者としてしか扱われてないな。
と思ったけど、
妙に納得する励ましだった。
 
 
 
 
#心拍見えない #胎芽小さい #Th2細胞優位 #妊娠しやすい #妊娠しにくい
#前向き思考 #不妊治療 #8週  #稽留流産
#流産待ち #妊娠継続 #人工流産
#奇跡は起きる

7週6日

6歳の娘に弟か妹かもう一人欲しい?と聞いてみたら、
『欲しいに決まってるじゃん』
と返ってきた。
 
弟いるのに、もう一人?と聞くと、
『たくさん欲しい、そして私がお世話するんだ、保育園のお迎えとか行ってあげるからね』
と楽しみにしている。
 
もう一人子供が欲しいという母の心が
娘に映し出されたのかなと思うけど
 
もし産まれなかったら?と聞いたら、
『私と弟がいるからママは大丈夫でしょ!』
と励まされた。
 
お腹の子のことは話してないのに
全て伝わっているような気がした。
 
 
#上の子にはお腹の子のことがわかる #弟か妹が欲しい #母の心が子供に移る
#6歳娘 #ママは大丈夫

7週5日

ちゃんは厳しい状態です。
ってのは、あまりにも曖昧な言葉なので、
クリニックの主治医に
『通常の患者さんなら(私が医者じゃなかったら)同じ状況でどうするんですか?』
って聞いて見た
 
通常の患者さんの場合には、
不妊治療の末、苦労して心待ちにしてできた赤ちゃんが上手く育っていないというと、
受け止める方の心の問題もありますから、
厳しいですという言葉をお伝えしつつ、受け止めの時間んを含めて、様子を見ながら1週間後の受診を予約しますと。
 
私のように、自身が医者で、さらに旦那も産婦人科医という専門家夫婦の場合には
医学的ご理解があるでしょうから、科学的なお話をズバッとさせていただいていますと。
 
つまり、この時期にはっきりした心拍が見えず、胎芽のサイズがここまで小さいのは、
流産の可能性が限りなく高く
もう少し妊娠継続したとして、生存して生まれられないくらいの重篤な染色体異常の可能性がとても高く、妊娠継続のためのホルモン剤等は、中止の選択を提示しますと。
あまりにつわりの症状がお辛いようでしたら、人工流産も検討の上ですと。
 
私だから、
そういう話になる。
 
小児科の中でも新生児の専門だから、
よくわかる。
 
医者だから
頭ではわかる。
 
でも
 
母だから、
私だって受け止めには時間を要する。
 
私だから、奇跡が起きない状態だとわかる。
セカンドオピニオンとして、他の先生に診てもらったとして、誰が見たって、状況は変わらないことが分かる。
 
次の日の朝起きたら、
全部嘘だったらいいのに。
 
 
 
こうやって毎日悶々と書くのも、いつまでかなと思う。
 
 
 
 
#心拍見えない #胎芽小さい #不妊治療 #7週  #稽留流産
#流産待ち #妊娠継続 #人工流産
#奇跡は起きる
 

7週4日

やっぱり、胎児心拍はなかった。
 
先生は、かすかに心拍があると言っていたけど、
母体の心拍と同じくらいで、赤ちゃんとしてはかなりゆっくりな心拍で不整脈のように見えると言っていたけど(=異常な心拍)
私には、全く見えなかった。
 
ひいき目に見ても、心拍はなかった
胎芽のサイズは、少しは育っていたけれど
正常とは程遠い小ささと成長率で
 
私は医療者だから、
それがもう、生まれてくる命ではないことが
よくわかった。
 
どう考えても、まれな1例報告にもならないほど、
奇跡は起きない状態だった。
 
私は、そんな赤ちゃんでも、その子のお母さんだから、
たとえ、数週間でしかなくても、一生懸命生きようとしている命を尊重してあげたいと思った。
まだ形も無い小さな胎児でも、
女性は、こんな気持ちになるんだなってわかった。
 
弟だったか、妹だったか、わかんないけど、
一生懸命生きてるから、
上の子にその存在を教えてあげようかなとも
思ったけど、
それも、どうしようか、少し考えよう。
 
 
 
#妊娠初期 #胎児心拍 #心拍見えない #胎芽 #胎芽小さい
#流産待ち #稽留流産の可能性 #体外受精 

7週3日

結局
お腹の中の子はどうなったかわからないけど
悶々とした1週間を過ごした。

体外受精の場合、日にちや週数のズレは全くないから、
6週5日で胎児心拍が見えなかったことは、
かなり医学的に厳しい。

という結論は変わらない。

明日の検診で、稽留流産と診断されるか
仮に、心拍が見えてきたとして、
その場合は
成長の遅い子=医学的には染色体異常を伴う結構厳しい子
ということを意味する。

というわけで、産婦人科としての旦那と
クリニックの主治医の意見は
今回はほぼ残念な結果だったということになっている。

でも、この1週間で
私の体は
どんどん妊婦として変化していて
つわりは全く治らないし、
胸も張ってきた。
基礎体温も下がらない。

どれも、稽留流産だったとしてもあり得る症状だから、
何もアテにはならないのだけれど、
私が1医師としてではなくて、
普通の女性としての心情が
赤ちゃんは実は何の異常もなく元気に育っている気がしてならない。

理論的には、可能性は低いのに、
一人の女性としては、結局そう考えるしか、この1週間現実を受け止められなかったんだろうな。

何も話してないのに
上の子は、赤ちゃんがお腹の中にいるんじゃないの?
と言い出すし、
元気に育っているんじゃないかと、浅はかな期待を抱いてしまう。

上の子は、タオルで抱っこ紐を作って、ぬいぐるみを抱いて、次に弟か妹が生まれた時のお世話の練習なんだと言っていた。
赤ちゃんが欲しいというママの感情が伝わったからなのかな。

 


#6週心拍見えない #妊娠初期 #稽留流産の可能性 #染色体異常 #赤ちゃんが欲しい

 

↓に思うこと

ご無沙汰、Tの記事。

↓の記事(メインで書いているもう一人のママ女医Kの記事)を読んで。

 

旦那さんの発言を読んで、涙が出た。

こういう時(妻の胎児心拍が確認できなかった)、世の旦那はなんて言うんだろって、思ってた。

 

「大丈夫?」と心配する夫。

「また、がんばろう」って勇気づける夫。

「少し休んだら?」と具体的に提案する夫。

 

いろんなパターンがあるだろうけれど、

Kの夫の発言は、想定外に感動した。

こんなに正直に言える夫って、本当に妻の事を信頼してるんだな。

 

私が夫婦像を美化しすぎている傾向はあるかもしれないけれど、

この発言をした時の夫と妻の間には、誰も入れない感じ。

 

って、ついつい涙しましたよ、Kさんへ。

 

 

妊活について

私はなんのために医者になったのか、
漠然と考えることがある。
患者さんが笑顔になると、それはとても幸せな気持ちになる。
もちろん、そういう理由もあるけど
 
小児科医になったのは、本能的に自分の子供のことすべてを分かりたかったから
かもしれないと思うことがある。
 
人一人がどうやって宿り、生まれてくるのか、
どうやって胎児が育つのか興味があったから、NICUで早産児を診たいと思うようになったのかもしれない。
 
逆に、
人間も動物だから、
弱肉強食はある程度仕方なくて、自然には生きられない赤ちゃんを現代医学を持ってして生きていることに、全く疑問がないか、というと、そういうわけでもない。
弱いものはだんだんと淘汰されていく生命の倫理に反しているという気持ちも無きにしも非ずで
でも、どんな障害があっても両親に愛されている姿を見ると、やはり生きている意味があるんだなと思う。
 
私は
最新の医学の力を使って
大金を使って
得た
第2子は顕微授精だった。
とても私たちの子とは思えないくらい、イケメンの男の子がすくすく育っている。
 
そして、うまく育たなかった第3子。
今回何度目の顕微受精だっただろう。
 
3人目の不妊治療は贅沢だ。
 
医学の力と、私の小児科医の知識と旦那の産婦人科医の知識と
独身の時に貯めたお金と
いろんなものをつぎ込んだ。
 
マラソン大会のように
全員にゴールが待っていればいいのに。
不妊治療はゴールがない。
 
旦那の意向は確認せずに不妊治療を進めて来た。
もう400万以上は使ったと思う。
 
今日心拍が見えなくて、
どう考えていいかわからなかった時に
初めて旦那の意見を聞いた。
 
産婦人科医としての意見ではなく
一人の夫としての意見。
それは
正直、もう一人、めちゃめちゃ欲しいと。
もう一人。
もう何人でも。
上の子も弟もめちゃめちゃ可愛いから。
と。
 
そうだったんだ。
知らなかった。
 
妊活も
本来は生まれない命を作り出しているようで
動物としての人間に反しているような気持ちにもなる。
 
医者としては、
世の女性には
私のように高齢だけが理由での妊活を頑張るのではなく、
もっと早い時期から
生物学的な適齢期に妊娠して欲しくて
 
本来の不妊治療は
両側卵管閉塞とか、両側の子宮外妊娠後とか
精子症とか
医学的適応のある人に
限って欲しいと思いもある。
 
でも、
私はそんな自分の本能に反して、
医療の力とお金でもって、
得て来たものを
やっぱり、
かけがえのない命で。
 
産んでよかったと思うから
 
見えないゴールを目指すのかもなと。
 
そんな風に思う。
 
 
 
 
#妊活 #高齢妊娠 #不妊治療 #顕微受精 #体外受精
#第3子不妊