現役小児科医ママがおすすめする、親子でHappyな育児法!

小児科医ママかつNICUonline管理者の育児、診療日記です

小児科で自閉症やアスペルガーを疑いを言われても、家族に言えない母の気持ち

先日の外来で、すごく大切なことに気がついた。
 
そのキーワードは
 自閉症、とか
 多動とか、
 発達障害とか
 
そういうことの疑いのある患者さんは
日常の子育てがなんとなくうまくいかないと感じていたり、
ほかの子と違うと感じていたりすることもある。
 
そんなお母さんたちはとてもセンシティブだし、
子供の抱える問題も、風邪のように自然に治るものでもない状況だから、
長い付き合いになるし、大切にゆっくりと時間をかけて、診察に当たらなければならない。
 
先日、
アスペルガー症候群が疑われる3歳の子に
発達検査をして、療育センターに通う手はずを整えて、
母とともに二人三脚で進めていたつもりだったんだけれど
 
お母さんは、子供のお父さんである旦那さんに
 我が子が発達検査をしたことも
 小児科に通わなければいけないことも
 療育センターという単語も
言えてないんです。
 
というお母さんがいて、
私はすごく我に返った。
 
そうか。
 
子供が生まれて一つの家族が誕生してから
 仕事はお父さん
 子育てや家事はお母さん
という分業がおおよそ成立してしまったら、
 
健診での子供の異常の指摘は
それが、自閉症アスペルガー症候群のような発達障害という問題だと
まるで
母の担当であった子育てを失敗したかのような気持ちになり、
お母さんは自分を責めて
それでなおかつ、
お仕事を頑張っているお父さんに言えない!ってことが
あるんだと
思って、
どう寄り添って行ったらいいのか、
改めて考えさせられる思いになった。
 
声を大にして言いたいのは、
決してお母さんのせいじゃないし。
育て方でなることではない。
先天的に、つまり神様から受け継いできた生まれつきの状態で、
誰かのやり方が悪かったせいでなるわけではないのだけれど
 
必死で0歳1歳2歳を育ててきた母にとって
ようやく赤ちゃんを脱したと思った
その次には
まるで赤ちゃんの頃の自分の頑張りを否定されたような気分で
言えないという気持ちも
よくわかった。
 
医療者は
子供のことを連れてきた母親に話したら、
当然お家に帰って、父親にも病態が伝わっているもんだと
思ってしまう。
 
療育センターに導入して、ケアしたりとか
そういう子供のより良い方向性を家族が共有して考えてきてくれることが
当たり前と思ってしまいがちだけど
 
大切な子供のことだから、
家族でなんでも相談し合うのが当たり前と
思ってしまいがちだけれど
 
自閉症なんて言葉、夫に言えない』
アスペルガー症候群なんて病名、夫に言えない』
『うちの子が普通の子じゃないかもしれないなんて、夫に言えない』
 
というその気持ちに
もう少し寄り添って
どうしたらいいのか一緒に考えてあげなきゃな
と、強く思った。
 
 
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