現役小児科医ママがおすすめする、親子でHappyな育児法!

小児科医ママかつNICUonline管理者の育児、診療日記です

子供の愛し方 僕を見てアピールが過剰な子供を見て思うこと

親が子供を愛するのは当たり前のように見えて
とても深くて難しいことです。
 
ただ、ありのままの子供を受け入れて
抱きしめて大好きだよ。というだけのことなのですが
 
私がみた患者さんたちや
私自身を考えてみても
とても難しいことなんだなぁと思います。
 
最近、外来で出会った子は
僕を見て!と全身で表現しているように見えました。
もう小学生でしたが、
落ち着いて椅子に座れず、
診察室を何度も抜け出して
病院中でおいかけっこを繰り広げました。
診察室内では、触ってはいけなさそうなものを選んでいたずらをしていました。
母親が言葉で止めようとすると、院内にあちこち唾を吐き、大人たちを引っかきました。
 
抜け出して走り回る子供を
看護師さんが必死で追いかけていましたが、
本当は
大好きなお母さんに追いかけて欲しかったんだと思います。
何かを壊したり、触ってはいけないものを制止も聞かずに触ろうとするのは
怒られることで、お母さんや他の大人達の関心を自分に向けようと必死だったように感じました。
 
お母様は思い通りにならない我が子に
落胆し自分自身に自身を喪失し
悪さをする子供を静かに見守っている様子に見えました。
どうしていうことが聞けないの?
他の子はみんなできるのに。
というお母さんの声を聞いても
僕はこうしたいのに、そしてお母さんにそれを見て欲しいのに、どうして止めるの?と言っているかのように思われました。
 
小さい頃のその子は
言葉や運動の発達が遅く、
コミュニケーションが苦手で
発達障害の可能性を考えさせられる子供でした。
 
お母様は理想の我が子でないこととのギャップに苦しんでおられましたが
理想通りの我が子に育てようとして
まだ、子供が言葉で『ママ』も言えない頃から
数多くの習い事やお稽古を始め
お受験に備えてらっしゃいました。
 
現在は小学生になりましたが
ひらがながわからず、
ひらがな練習の宿題に毎日3時間を費やしているんだと
お話しておりました。
 
お母様は
きっと、自分の理想通りの我が子を育てたくて
ご自身の理想像に沿うように必死で頑張っておられます。
でも、実際のその子は
ママの思う僕は違う僕だよ!本当の僕を見てよ!と
全身で訴えているように見えます。
 
ママは僕を愛しているよ
僕を見ているよ。
という
愛され体験と
僕のやったことが褒められるという成功体験を
 
叱咤激励されて、何時間もかかる学校のお勉強よりも
優先させて欲しいと思いました。
 
僕のできることから
僕ができそうなことから
取り掛かってとにかく褒めて欲しいと思います。
 
それは綺麗事で自分自身の理想を変えるのは大変なことだと思います。
ただ、
このままでは母子ともに辛い道を歩いているようで
なんとか二人が歩み寄れないかと
そう思うんです。
 
『学校でお友達ができたんだよ!』
それでもいいかもしれません。
『新しいお友達ができたのね!ママはそれがすごく嬉しいよ』と
抱きしめて褒めてあげるといいかもしれません。
 
学校のみんなにお勉強の足並みを揃えることは
今、必要なことではないように思われます。
 
毎日楽しく過ごして、
ママが僕を大好きだから安心だと思って欲しいと思いました。
 
お母さんの苦しみに寄り添ったら
子供の愛し方がわかるかなぁと思い
 
自宅に帰ったら
我が子をどうやって愛するか考えてみようと思います。
 
 
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